参院選が目前に迫る中、離婚後の親権を「共同親権」にすべきか、現行の「単独親権」を維持すべきかという問題について、報道で取り上げられる機会が増えてきています。
7/3放送の「ワイドナショー」でも親権問題が取りあげられました。
そこで、親権問題についての出演者のコメントをまとめました。
共同親権?単独親権? 出演者の意見は?
共同親権か単独親権か?
出演者のコメントをまとめました。
まずは、10代代表の国本梨紗さん。10代として、周りの友人の状況から、共同親権が選択肢としてあって欲しいと意見を言いました。子供たちの目線から見た意見の一つとして、とても貴重な意見だと感じました。
国本梨紗さん
私の周りでは10代になってから親が離婚した友達が結構いるが、「どちらの親か選んで」と言われるのはすごい酷なことだと思う。離婚から不安定になる子も結構いた。だから、選択肢として共同親権は欲しいと、10代目線からは思った。
7/3 フジテレビ「ワイドナショー」より
次に、親が離婚した経験をもつ、ピアニストの清塚信也さん。自身の経験や、離婚した友人の状況から、親を選びたい子供もいること、制度がすべての問題を解決できるわけではないことなどをあげました。
清塚信也さん
・共同親権の導入に反対はない。
7/3 フジテレビ「ワイドナショー」より
・ただ、私の知り合いで、子供がいながら離婚しても仲の良い夫婦がいるが、そういうケースは、離婚をしてもしなくても話の折り合いがつく関係だからこそできているのであって、制度がどうこうという話ではない。
・私も親が離婚して母親に育てられた。小さいときに、両親がいがみ合っている姿を見て、「なんでこっちに決めさせてくれないの?」と思った。
・私が「母親がいい」と思ったように、「どちらかの親がいい」と思っている子供にとっては、共同親権によって会いたくない親にも会わなければならなくなるという問題もある。
一方、田村淳さん、真鍋かおりさんは、この問題に対して慎重な姿勢を見せました。
共同親権を望む方、単独親権を望む方、それぞれの切実で真剣な思いを知っているからこそ、慎重な発言をしていると感じました。
田村淳さん
・この問題は、両方の立場の方それぞれの思いが非常に強い。正直、放送後のtwitterは見るに堪えないと思う。
・法律はどちらかを定めなければならないので、そこは十分議論をして決める必要がある。
・お互いの主張が本当に正しいのかがわからないという問題がある。本当にDVはあったのか?など、簡単にジャッジできない点が本当に難しい。
7/3 フジテレビ「ワイドナショー」より
真鍋かおりさん
・もし母親が親権をとらなかったときに、「母親の方に問題があったのか?」と世間から思われがち。
・かつて児童虐待の問題を扱ったとき、一番意見が割れたのが共同親権の問題。
「DVから逃げられなくなるから共同親権は絶対やめてほしい」という母親側の意見と、「子供に会いたい、絶対に共同親権にしてほしい」という意見、どちらもある。・法律によって救われる家庭もあれば、救われない家庭も出てきてしまう。大切なのは、救われない家庭のための受け皿となるような制度を整備してから法律を変えることではないか。
7/3 フジテレビ「ワイドナショー」より
トラウデン直美さん、加藤雅也さんは、様々な状況がある中で、共同親権が選択肢としてあってもいいのではという意見でした。
トラウデン直美さん
・それぞれの国や環境があるが、素人考えでは、共同親権か単独親権かを選べる選択肢があってもいいのではと思う。
7/3 フジテレビ「ワイドナショー」より
加藤雅也さん
・それぞれ家庭の事情があるのだから、いろいろな選択肢があっていいし、わからない時は裁判所に決めてもらえばいい。
7/3 フジテレビ「ワイドナショー」より
弁護士の犬塚浩さんは、単独親権制度での日本のこれまでの流れ、海外の共同親権の状況、現行法の問題点などを解説しました。
弁護士 犬塚浩さん
・もともと日本は離婚が少ない国で、離婚した場合には母親が引き取るのが自然な流れだった。
・ここ最近はお互いが子育てに協力するようになり、離婚後も共同親権にすべきではという流れになってきている。
・海外でもほとんどの国は共同親権。教育はこっち、お金はこっちというように、権利を分担している場合が多い。
7/3 フジテレビ「ワイドナショー」より
・男性は仕事優先で育児にかかわる時間が少ない中、離婚した場合、父親が子供を育てたいと思っていても、裁判所にはどうしても母親が適切と判断されやすい。
・現行の法律でも「面接交渉」といって別居親が子供と定期的に会える形はあるが、同居親が合わせたくないケースや、面会の期間が空く中で子供も会いたい気持ちがどんどん薄れていってしまうという問題がある。
出演者のコメントは以上です。
なお、6/26の「日曜報道」でも親権問題について専門家が議論をしました。
こちらの内容もご確認ください。
離婚後の親権問題 当事者になる前に考えてほしいこと
番組内でも言われていたように、当事者の方々の切実な思い、真剣さはとても強く、本当に難しい問題です。
もし、あなたが夫婦問題に悩んでいても、まだパートナーと具体的に離婚問題を話し合うような深刻な状況ではない場合だとしたら、今のうちから考えておいてほしいことがあります。
・もしも離婚した場合、パートナー、子供との関わり方をどうしたいか?
・今、パートナーや子供への関り方は十分か?
・「パートナーと子供が突然いなくなる」そんな事態がおこる前に、しておくべきことはないか?
清塚さんは、離婚後でも両親が子供と関われる状況について、「離婚をしてもしなくても話の折り合いがつく関係だからこそできているのであって、制度がどうこうという話ではない」と言っていました。
この状態、離婚後の子供との関わりという点で、本当に大事なことです。
離婚をしても両親が子供と上手に関わることができているケースは、「子供の親」として、お互いを尊重し、冷静に話し合いができている場合が多いです。
夫婦としてはやっていけない。でも、子供のために、争わずにかかわっていく道はないか?
「親権を争う」関係になってしまってからでは、解決はとても難しくなってしまいます。
転ばぬ先の杖。
具体的な離婚問題になる前の方は、ぜひ今のうちから考えていただきたいです。
まとめ
番組の最後は、「何の結論もだしませんw」と、バラエティ風に締めくくられてしまいました。
ただ、選挙前のこの時期に人気番組がこうして取り上げたこと。
多くの人が親権の問題に触れ、考える機会を作ったことは、非常に意義が大きかったのではないかと感じました。
いよいよ参院選まで1週間をきりました。
投票にあたっては、ぜひ親権問題についても比較検討していただけるとうれしいです。
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