夫婦カウンセラーのそらーれです。
今日は、奥様が傷つく旦那さんの言葉の代表の1つ
「俺の飯は?」
問題についてお話しします。
奥さんが「具合が悪くて動けない・・・」と旦那さんに伝えたとき、
「俺の飯は?」
と奥様に聞く旦那さん、本当に数多くいます。
これを読んでいる男性のあなた。
あなたにも身に覚えはないでしょうか?
この言葉がどれだけ女性の心を傷つけているか。
少しネットを調べれば、これでもかというくらい女性の「怒りの声」が出てきます。
しかし、学校やテレビでも習っていないはずなのに、なぜ男性は判を押したように「俺の飯は?」と聞いてしまうのでしょうか?
そんな男性側の心理について説明をしているものは、とても少ないです。。。
そこで、今回は男性の「俺の飯は?」問題について、
- 「俺の飯は?」と発言してしまう男性側の心理(言い分)
- なぜ女性は「俺の飯は?」に傷つくのか?
- 今後「俺の飯は?」のようなモラハラ発言をしないために
というテーマで解説いたします。
「俺の飯は?」と発言してしまう男性側の心理(言い分)
実は、多くの男性側は、「俺の飯は?」と聞くことがそこまで女性を傷つけるとは思っていません。
この発言が「モラハラ」だと言われて、びっくりする人も少なくないです。
「俺の飯は?」と発言してから、奥様に爆発されて初めて傷つけていることに気付いたという人は多いのではないでしょうか?
下手をすると、その時は奥様は何も言わずにいてくれているけど、実は心の奥でものすごく恨んでいて、そのことにあなたは気付いていないだけかもしれません。。。
なぜ男性は「俺の飯は?」と発言してしまうのか?
そんな男性側の心理について解説します。
奥さんの変わりに家事をすることを、仕事に置き換えて考えている
男性は、体調が悪い奥さんの変わりに「家事をすること」を「仕事」と同じように考える傾向があります。
長く会社員として働き、昔ながらの男性的な価値観や慣習が色濃く残る組織の中で必死で生き抜くことを考えている男性陣。
日常生活でも、迷った時のよりどころとして「仕事の判断基準」で考える癖が出てきます。
そして「仕事」の判断基準で「妻の体調が悪いとき」を考えると、きっと次のような思考になっているのではと思います。
誰かが仕事を休むとき、まず仕事のことを心配する癖がついている
朝、会社に行くと、同じ部署の同僚から電話がかかってきました。
「体調が悪いので休みたい。」
そんな時、あなたはどんなことを考えるでしょうか?
「大丈夫?お大事に・・・」
と電話越しから労りつつも、休んだ人がどうやって過ごすかまでは気にかけません。
「ご飯は食べられるか?病院には行けるか?」
などと心配しても、あなたに手伝えることはないからです。
休んだ人がどう対処するかは休んだ人の課題だと考えます。
むしろ、その人が休むことで、
・「部署の業務は今日一日問題なく回るか?」
・「自分がカバーしなければいけないことはないか?」
・「リスケが必要なミーティングはないか?」
など、まず自分たちの仕事への影響を考えるのが、仕事での常識です。
妻の体調が悪いと聞いた時、男性はまず仕事の時と同じように「妻の変わりに家の中でやらなければいけないこと」に考えを巡らせて、中でも難度が高そうな「俺の飯は(どうやって解決しよう)?」という質問になってしまうのです。
体調が悪いときでも、自分の仕事は自分で仕事をしようと思う癖がついている
あなたが仕事を休むとき、あなたが担当している業務のことは、基本的には誰かにお願いはしないのではないでしょうか?
どうしてもやらなければならない時は、無理を押して出社してでも仕事をやり遂げようとします。
「自分の仕事は自分でやるものだ。」
これが基本的なスタンスです。
仕事に対する責任感もあるでしょうし、「自分でやらないと自分が評価されない」という危機感もあるかもしれません。
とにかく、「体調が悪いから」といって、「誰かに自分の仕事をやってもらおう」という思考は基本的にありません。もちろん、奥様に変わりに仕事をやってもらおうなんてハナから思わないはずです。
だから、「妻の仕事である家事」は「妻は体調が悪くても自分でやろうとしているだろう」と思い込んでいて、「俺の飯は(作るのは無理そうだけど大丈夫)?」という質問になってしまうのです。
むしろ、普段やっていない仕事は、慣れない人がやるべきではないと思う
仕事では、上記のような
「基本的にその人の仕事はその人がやるべき」という考えのほか、
「勝手がわからない仕事に下手に手をだして、トラブルを起こしてはいけない。」
こんな考え方もよくされています。
奥様が食事の用意をされていて、男性が基本的にキッチンに立たない家庭の場合、「飯をつくる」行為は「勝手がわからず不慣れで、大変な作業」だと感じてしまいます。
毎日食事を作っている奥様と、年に数回キッチンに立つか立たないかの男性陣とでは、料理に対する負担感が全く違うわけです。
「仕事だったら、下手に手を貸して失敗したら逆に迷惑がかかる」ようなレベルのことに感じてしまうのです。
なので、「俺の飯は(作れないんだけどどうしよう)?」という不安が一番先に頭をよぎってしまうのです。
いかがでしょうか?
私も長い間会社勤めをしてきました。
なので私も、どうしても上記のような「仕事での判断基準」が頭をよぎってしまいます。
あなたの中には、こんな判断基準はありませんか?
奥様への気遣いを学ぶ機会が少なかった
「男尊女卑」
日本では、いや、世界中のほとんどの国でも、伝統的に「男性優位の社会」が構築されてきました。
私たちは、そんな社会の土壌で育ってきました。
男女平等が謳われ、今やジェンダーレスの時代になっています。
でも、私たちの日常の暮らしの中では、「男性優位の社会性」がベースとして染みついていて、どうしたってその影響を受けるわけです。
「男は家長で、家を継ぐのは長男で、男は妻に支えてもらい、外で仕事をし、家では何もしない。」
「女は家の料理や家事を一手に担い、男を陰で支える。」
こんな考え、今となっては少し(かなり)古く感じますが、あなたのお父さんお母さん、お祖父さんお祖母さんはどうだったでしょうか?
また、社会人の集まりでも、
「男は酒を飲んで楽しく騒ぎ、女はお酌をし、料理を配る。」
こんなシーン、特に年配の会合では今だに見かけないでしょうか?
こういう風土で育ってきた私たちは、どうしたってベースとして「男尊女卑」の精神が染みついているのだと思います。(上の世代を批判しているわけではありません。むしろ、上の世代はもっと上の世代のより強い「男性優位の社会」で育ってきたわけなので、仕方ないと思います。)
大人の男性が奥様のことを気遣っている場面。あなたの記憶にありますか?
私は、自分の過去を思い返してみて、「この人の奥さんへの気遣いはステキだったなあ」と思った大人というのは、残念ながら思い浮かびません。
奥さんのことを公衆の面前で怒鳴ったり、くさしたり、良くて「何も言わない」。
褒めたり気遣いを見せるような場面は見たことがほとんどない気がします。
「男はこんな風に過ごしていれば、家庭はうまくいく」と学習してきたのです。
実際はそんなわけがないことは、「熟年離婚の増加」からもよくわかりますよね。。。
私たちには、奥様への「気遣い方」を学ぶ機会がとても少なかったのではないかと感じます。
なぜ女性は「俺の飯は?」に傷つくのか?
さて、ここまでは男性側が「俺の飯は?」と言ってしまうことについて、話してきました。
多くの男性側は、「俺の飯は?」と聞くことがそこまで女性を傷つけるとは気づかずに発言してしまいます。
でも、やっぱり「俺の飯は?」という言動は女性を傷つけるんです。
いや、男性だって本当は傷つくはずなんです。
ここからは、「俺の飯は?」という質問がなぜ女性を傷つけてしまうのか?女性の心理について解説します。
「私の体調を心配してくれないの?」
男性側の心理の解説で、男性は「仕事で誰かが休んだ時のように、これからの業務のことを心配する」傾向にあることをお話ししました。
なので、まず先に「俺の飯(業務)」のことが口に出てしまうと。
しかし、もしあなたが「仕事を休んでしまって申し訳ない・・・」と思いつつ会社に連絡した時に、
「大丈夫?病院行ける?」
とまず心配の言葉をかけてもらうのと、
「え、じゃあ今日の業務はどうするつもりなの?」
と、いきなり業務の責任について質問されるのと、
どちらが嬉しいですか?
奥様だって、きっと「あなたのご飯が作れなくて申し訳ない・・・」と思いながら体調不良を伝えているはずです。
そんな時にいきなり「俺の飯は?」と聞かれるのは、
「え、じゃあ今日の業務はどうするつもりなの?」と責任を追及されるのと
全く一緒の聞き方をしてしまっているということです。
ひょっとしたら、仕事ではこんな考えを持つ方がいるかもしれません。
「仕事なんだから業務の連絡事項だけで十分。お気遣いは無用」と。
でも、あなたと奥様は夫婦です。
家族の営みを「家族経営」なんてたとえたりしますが、でも本当に家族の営みは経営、仕事なんでしょうか?
先ほどの「仕事なんだから業務の連絡事項だけで十分。お気遣いは無用」
という考えを家族に置き換えて、
「家族なんだから家事の連絡事項だけで十分。お気遣いは無用」と、
あなたも奥様も仕事のように割り切る。
これがあなたが望む夫婦の姿でしょうか?
きっと奥様は、まず「心配の声をかけてもらう」方を望んでいるはずです。
「私はあなたのメシ係なの?」
あなたは、自分のご飯を自分で作れるかが不安になり、「俺の飯は?」とつい自分の中の心配事を先に口にしてしまったのかもしれません。
でも、それを聞いた奥様は、自分の存在が食事を作るだけのメシ係だと思われているのではないかと不安になるかもしれません。
普段、奥様は家事や育児などをとても頑張っています。それを夫のあなたが評価せず、当たり前のことだと思っていたとしたら、悲しい気持ちになります。
体調が悪いときに「俺の飯は?」と聞かれるということは、あなたが「奥様が俺のために家事をやって当たり前。」そんな風に思っているんだと感じてしまうのです。
あなたが仕事を頑張れるのは、誰かがあなたの仕事を評価してくれるからではないでしょうか。
「評価され、昇進し、給料が上がる」
だから仕事を頑張ろうと思える。
もし誰からも評価されないままただ仕事を押し付けられているだけの状態だとしたら、あなたはその会社でずっと働きたいと思うでしょうか?
奥様の働きを認めるのは、誰であるべきでしょうか?
「私の気持ちを理解する気がないんだな・・・」
女性には、感情豊かでコミュニケーションが好きな方が多いです。
「男尊女卑の社会」の中で生き抜くために、「気持ち」を汲み取り、「気持ち」に寄り添う力が養われていったのかもしれません。
あるいは、はるか原始時代、男が狩猟に出ている間、洞穴で男たちの帰りを待つ女たちは、自分たちの身を守るためにわずかな変化も見逃さない能力が身についていき、それが「気持ち」を感じ取る能力になっていったという説もあります。
一方、男性社会や仕事では、「気持ち」を大切にすることはあまり多くありません。
「気持ち」よりも「結果、成果」が優先されます。
むしろ、自分の「気持ち」は押し殺して、業務をきっちり遂行する。
これが正しい社会人だと称えられます。
こんな男女の感じ方の違いが一般的にはあります。
この違い、あなたは考慮できていますか?
奥様は、自分の気持ちや状況を理解しようとしないあなたに対して怒りや失望を感じるているかもしれません。
今後「俺の飯は?」のようなモラハラ発言をしないために
ここまで読んで、いかがだったでしょうか?
あなたに思い当たるところはありましたか?
もしあったとしたら、今後「俺の飯は?」のようなモラハラ発言をしないために、次のことを意識しましょう。
「業務」よりも「気持ち」 奥様の「気持ち」を想像するクセをつけましょう
男性はどうしてもベースとして「気持ち」よりも「業務」に頭が行ってしまいます。
社会で生きる中で男性に求められることなので、これはある意味仕方のないことだと思います。
でも、奥様との間では話は全く別。「業務」よりも「気持ち」を何よりも大切に考えるクセをつけましょう。
「妻にしてあげられること」を考え、行動しましょう|完璧にできなくても大丈夫
仕事では「会社を休む人」にしてあげられることは基本的にありません。
「お大事に」と労りの言葉を電話でかけてあげるくらいだと思います。
しかし、奥様は「一緒の家にいる」のです。
してあげられることはたくさんあるはずです。
というか、あなたしかしてあげられる人はいないわけです。
看病の仕方がわからない。
たしかに、いきなりやれと言われたらテンパってしまうかもしれません。
でも、それでもいいんです。
仕事でもいきなり完璧にできる人なんていませんよね。
奥様も、きっとあなたが完璧にこなすことを望んでいるわけではありません。
・奥様の気持ちを汲み取ろうとする「気持ち」
・奥様のために一生懸命やろうとする「気持ち」
こんなあなたの「気持ち」を感じたいのですから。
「奥様がもしものとき」の備えを考えておきましょう
「家の中のことは奥様に任せっきりで、細かいことは何もわからない」
こんな男性は多いのではないでしょうか?
私もその一人です(苦笑)
普段は仕事のことに集中して、家族のことを考える時間は奥様に比べて圧倒時に少ない。
だから、どうしても奥様に任せてしまうのは、仕方のないことだと思います。
でも、
「もし奥様に何かあったときに、奥様や家族にどうしてあげなければいけないか?」
これを考えるのは、あなたの役目です。
しっかりと考えて備えていれば、「俺の飯は?」のような発言はしなくなります。
まとめ
以上、「俺の飯は?」問題について解説いたしました。
いかがだったでしょうか?
思い当たることがあった方、ぜひ奥様への今後の接し方について考えてみてください。
皆様がよりよい夫婦関係を築いていかれることをお祈りします。
もし考えてもどうすればいいかわからない。。。
そんな時は、当サロンにご相談ください。
マラソンの伴走者のように、あなたの横で一緒に考え、寄り添っていきたいと考えています。
一人で抱え込まずに、遠慮なくご相談くださいね。
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