不倫の誓約書はテンプレートが便利? 夫婦仲を再構築するための作成上の注意点

離婚の基礎知識

solare離婚相談サロン代表、夫婦カウンセラー兼行政書士のそらーれです。

このページをご覧になっているあなたは、
パートナーに不倫をされて、とてもつらい気持ちを抱えていることと思います。

不倫は、これまで築き上げてきた夫婦の絆を一瞬で破壊します。

それでも、離婚はしたくない
夫婦として再構築を目指したいと思うあなた。

もう二度と辛い思いはしたくないですよね。

そこで、今後の夫婦生活の安心のために、

パートナーに「誓約書」を書いてもらう

ことを検討してはいかがでしょうか?

そこで今回は、「不倫の誓約書」の作り方について、

  • 行政書士」として ⇒ 法的な注意点
  • 「夫婦カウンセラー」として ⇒ 再構築のために大切なこと

を中心に解説します。

ぜひ最後までご覧ください。

不倫の誓約書はテンプレートが便利? 作成上の注意点

ネット上には、誓約書のテンプレートがたくさん載っています。

テンプレートは、法的に必要な「最低限の決め事が網羅」されています。
これらをベースに作成すれば、致命的な抜けがなく誓約書を作成することができるでしょう。

ただし、気を付けてほしい点があります。
それは、「慰謝料の金額」「離婚条件」など、自分たちで条件を取り決めるものです。
これらの条件を次のようなものに設定した場合、「該当する項目」または「誓約書全体」が無効となってしまう可能性があるので、注意が必要です。

  • 一般的な相場や当事者の資力とかけ離れた金額(※慰謝料の相場は100万~300万円)
  • 親権の指定や養育費の金額など、「離婚時」に適当ではなくなっている可能性があるもの
  • 「次に不倫したら死刑」などの無茶な条件(法律用語で公序良俗に反するもの)

また、テンプレートは確かに「最低限」の項目があげられていますが、「夫婦関係の再構築」という目的から見ると、内容的に不十分なものが多いです。

あなたの「心の安心」のためには、金銭や離婚時の条件だけではなく、「これからの二人が安心して暮らしていくための約束事」が必要になってきます。

誓約書の目的

ここで改めて、不倫の誓約書は何のために作成するのか。誓約書の目的、効力を解説します。

不貞の証拠を残す

もし夫婦関係の再構築がうまくいかず離婚となってしまうとき、誓約書は離婚を優位に進めるための「不貞の証拠」となります。

不貞の証拠があることで、離婚協議を優位に進めることができます。

離婚をするとき、まずは二人の話し合いで離婚を進めていくことになりますが、協議が折り合わずに裁判まで行ってしまうような場合でも、誓約書があれば問題なく離婚手続きを進めることができます。

離婚の裁判では、民法に定められた条件でしか離婚が認められませんが、「不倫」は民法770条の離婚条件に当てはまるからです。

【参考】民法770条1項
配偶者に不貞な行為(※)があったとき

(※)「不貞な行為」=「肉体関係」のことです。

誓約書には必ず「不貞行為」と記載しましょう。
「不倫」や「浮気」と書くと、「肉体関係」があったかどうかが曖昧になってしまいます。
そうすると、法的な証拠として不十分なものになってしまいます。

謝罪の気持ちを書面に残す

たとえその時は本気で謝罪したとしても、その後の夫婦生活で反省が見られない言動が繰り返される。不倫など無かったかのような相手の態度に、心がさらに傷ついてしまう。。。

こんなケース、残念ながらよく見られます

口だけの謝罪は形に残りませんが、誓約書に残しておけば、いつでも相手に突き付けて、反省を促すことができます。

再構築は長期戦です。

強力な武器を持っている安心感。
この安心感が、長い戦いにはとても大切なのです。

今後の夫婦生活をより良いものにする

再構築は、長く苦しい戦いです。

些細なことからでも不倫を思い出してしまうフラッシュバックに悩み
パートナーを信用したくても疑ってしまう。。。
不安定で、とてもつらい気持ちを抱えながら暮らしていくこととなります。

そんな不安定な気持ちを抱えるあなたが少しでも安心できるように、誓約書には法的な証拠としての内容だけではなく、「+α」の約束を盛り込むことが大切です。

夫婦仲の再構築に大切な「+α」について

再構築に向けて誓約書に盛り込みたい「+α」
二人で話し合って、次のような約束を盛り込むことをおすすめします。

・あなたの安心のために、「あなたがしたい/してほしい」こと
・あなたの安心のために、「パートナーにしてほしくない」こと
・これからどんな夫婦になりたいか、そのために約束したいこと

あなたの安心のために、あなたがしたいこと/してほしいこと

どうしても相手の不倫を疑ってしまう。
そんな不安を解消するために、あなたがしたいこと/してほしいことを考えてみましょう。

たとえば、

  • スマホをいつでも確認することができる
  • 相手にGPSを付けることができる

こんな約束をしてみてはいかがでしょうか。

スマホやGPSという条件は、相手はもちろん、あなた自身もイヤな約束かもしれません。

別に本当に実行しなくてもいいのです。

「約束する」こと自体に大きな意味があるからです。

  • 「いつでも確認できる」というあなたの安心を得られる
  • 相手の「再構築への本気度」を確認することができる

こんなメリットがありますので、遠慮せずに提案してみましょう。

あなたの安心のために、パートナーにしてほしいこと、ほしくないこと

相手にとって不倫は「過去の話」でも、あなたにとっては「現在進行形」で心が傷ついている

この意識の差、実はとても大きいです。

あなたがずっと不安な気持ちを抱えて過ごしていくこと。
相手にしっかり理解してもらい、ケアすることを約束してもらいましょう。
たとえば、

  • フラッシュバックが起こりそうなものはすべて処分してもらう
  • あなたが不倫を思い出して悲しい気持ちになったときは、「ごめんね」と必ず言ってもらう
  • 「いつまでも悩まないで」など、「終わったこと」みたいな発言を絶対にしない

ポイントは、あなたと相手の「意識の差」をしっかりと認識させることです。

これができると、無神経な発言で傷口に塩を塗られることが少なくなります。

これからどんな夫婦になりたいか、そのために約束したいこと

夫婦生活をずっと続けていると、ついダラダラと日常を過ごし、「二人の将来」を話し合うことが少なくなります。

「離婚」ではなく「再構築」の道を選んだ二人。

あえて良い機会と前向きにとらえて、「これからどんな夫婦になりたいか」を二人でしっかり向き合って話し合ってみてはいかがでしょうか。

二人がなりたい夫婦になるための約束を盛り込みましょう。

たとえば、

  • 「ありがとう」を必ず声に出して伝える
  • 「ごめんなさい」を素直に伝える
  • 2人で会話する時間を定期的に必ずつくる

約束を盛り込みすぎないように

あなたの不安を少しでも減らしたい。

だからと言って、なんでもかんでも誓約書に書いていくとキリがないです。
また、項目が多すぎると相手も約束を守る気力がいきなり失せてしまいます

上記の項目についてそれぞれ1~3個くらいに絞って、必ず相手に守ってもらえて、自分自身も守れる誓約書にしましょう。

【注意】誓約書は取り消すことができる?

「民法754条」では、夫婦間の契約について次のように定めています。

夫婦間でした契約は、婚姻中、いつでも、夫婦の一方からこれを取り消すことができる。

たとえ誓約書で約束したとしても、誓約書の約束は取り消すことができてしまいます
たとえ浮気した側からでも取り消すことは可能なのです。

誓約書の約束は相手を法的に強制できるものではなく、あくまで「努力目標」ということです。

ただ、もし誓約書の約束を破って開き直るような相手だとしたら、もはや夫婦関係を続けるべきではなく、離婚を進めるべきです。

また、たとえ誓約書の約束を取り消したとしても、「不貞を認めた証拠としては有効」ですので、その後の離婚協議を有利に進めることはできます。ご安心ください。

まとめ

以上、不倫の誓約書について解説しました。
最後に、誓約書作成のポイントをまとめます。

・テンプレートを参考にしつつも、実現可能な範囲で条件を決めましょう
・夫婦仲の再構築に必要な「+α」を真剣に考えましょう

・過度な約束をして誓約書自体が無効にならないように注意しましょう


誓約書作成のポイントはわかったけど、自分たちでちゃんとした誓約書を作れるか不安。。。

そんな時は、当サロンにご相談ください。
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